足底腱膜炎
足底腱膜は、足の5本の指の付け根からかかとまで、足の裏に膜のように張っている腱
組織であり、足の縦のアーチを支える重要な役割を果たしています。「足底腱膜炎」とは、
その「足底腱膜」に小さな断裂が起こり、炎症が起きることで痛みをもたらすものです。多
くはかかとの骨周辺に痛みが起こります。最初は僅かな痛みだったのが、少しずつ強くな
っていき発症してから数ヶ月間痛みが続くこともあります。かかとは歩行中は絶えず負荷
がかかる部位で、休めておくことが難しい為、改善に時間がかかることが多いです。
また、ふくらはぎの筋肉の腱であるアキレス腱がかかとについていますが、筋や腱を覆
う表面の膜を通して、アキレス腱の緊張(疲労)も足底腱膜につながります。ですので、
ふくらはぎの筋肉と足底腱膜には密接な関わりがあります。
目次
特徴的な症状
*炎症がひどい場合は、動作や姿勢に関わらずじっとしていても痛みがでることがありま
す。
○起床時の痛み
朝の起床時に痛みを感じることが多い症状です。
昼間は足底腱膜に柔軟性があるのが、寝ている間に硬くなってしまい、腱膜が硬いまま足
をつくことで損傷部位が引っ張られることで強く痛むと考えられます。動いていくうち
に、腱膜の柔軟性がでてくることで日中は痛みがなく過ごせる場合があります。長時間座
った後、歩き出す際に痛みが出ることもありますが、理由は同じです。
足底腱膜の損傷部位が修復され、柔軟性がつくと、痛みが治まります。
○運動開始時、運動後・休息後の痛み
運動開始時やウォームアップの初めは朝と同じ理由でまだ足底腱膜が硬い間は、損傷部位
に負荷がかかることで痛みがでます。損傷の程度が軽度なら運動中は痛みが軽減またはほ
ぼなくなりますが、運動後や休んだ後に足底腱膜が硬くなると再び痛みを感じます。運動
によりふくらはぎの筋肉が疲労し緊張が強くなった場合は、足底腱膜の緊張も強くなり損
傷部位により大きな負担がかかります。運動を繰り返すことで悪化傾向にある場合は、し
ばらく休むか運動の強度を下げることをお勧めします。
原因
●足の疲労と柔軟性の低下
日常生活での負担や運動不足が続くと、足の疲労→足の筋肉の緊張→柔軟性の低下、というように進み、ふくらはぎや足底腱膜が硬くなってしまいます。長い距離を移動したり、スポーツをした後にクールダウンをせずに放置しておいても同じ結果に繋がります。腱膜が硬いままになっていると、ちょっとした負荷がかかったことがきっかけで、足底腱膜に微小な断裂が起きて、足底腱膜炎になってしまいます。
●急激な運動・足の使い過ぎ(オーバーユース)
普段あまり運動をしていない中で、ジョギングや飛び跳ねる動作の多いスポーツなどで
足を使い過ぎることで、足底腱膜に微小な断裂が起きます。いつも運動している方でも、
足に疲労が蓄積している場合、同じことが起こります。
●筋力の低下
足のアーチ構造は、足底腱膜のほか、足のいろいろな筋肉によって支えられています。
それらの足のアーチを支える筋力が弱まると足底腱膜への負担が増し、足底腱膜炎を起こ
し易くなります。
●体重の増加:
体重の増加によって足にかかる負担が大きくなり、炎症を起こします。
新御茶ノ水外来センターでは
・足底の筋肉・腱膜の緊張を緩めていきます。
・ふくらはぎの筋肉、すねの筋肉など足首を動かす筋肉の状態を確認してアプローチして
いきます。ふくらはぎの筋肉と足底腱膜は表面の膜で繋がっており、両方が悪影響を与え
ながら過度に緊張している場合がほとんどです。
・足首の動きや足のアーチを形成している骨の関節の状態を確認してアプローチしていき
ます。