腸脛靭帯炎(ランナーズニー)
脛靭帯炎は別名ランナーズニーとしても知られていて、膝の外側に痛みが出るのが特徴です。マラソンやランニングでは、膝への反復した負荷により、膝の軟骨や靭帯、半月板だけでなく、太腿の外側(お尻から膝にかけての外側)にも大きな負担がかかります。
腸脛靭帯は、お尻の外側から膝の外側部にかけて太腿の外側をおおっている長い靱帯で、脚の外側の安定を保つ役割を果たしています。走ることで、お尻の外側、太腿の外側の筋肉に疲労が溜まって硬くなると、腸脛靭帯も緊張し過度な負担に耐えられなくなります。そこへ、反復した負荷がかかることで腸脛靭帯を傷めてしまい、炎症が起こってしまいます。この状態を腸脛靭帯炎といいます。お尻近くから伸びる長い靱帯ですが、特に膝外側の付着部辺りを傷めることがほとんどです。
目次
症状の主な特徴
①膝の外側に張り感、痛みがある
②膝がスムーズに曲げられない
③走ると痛い
④階段の下りで痛い
⑤歩行時に痛い
重症度によって症状の程度が異なります。
軽度 ①走ると痛い(日常生活に支障はない)
↓ ・走り始めは痛みがないが後半に痛みが出る
・しばらく休めば再び走ることができる
↓ ・走り始めから痛い
重度 ②歩行や階段昇降で痛い(日常生活でも痛い)
これらの症状は一般的に順を追って進行します。
ランニングを始めて少しずつ負担が蓄積し、3〜6ヶ月くらいで痛みが出てくるケースも多々あります。
久しぶりに運動したときや急な負荷をかけたときは、急に症状が悪化することも少なくありません。
原因
原因としては、オーバーワーク(走り過ぎ)による筋肉ひいては靱帯のオーバーユース(使い過ぎ)が考えられます。
こうなってしまう要因として、
・ウォーミングアップ不足
・骨盤、大腿、下腿のアライメントの乱れ
・股関節、膝関節、足関節の可動域、柔軟性の低下
・走り方が悪い
・クールダウン(アフターケア)不足
などが考えられます。
※多くの場合は適切なウォーミングアップとクールダウン(アフターケア)で未然に防ぐことが出来ます。
新御茶ノ水外来センターでは
①痛みの部位を検査し腸脛靭帯の問題であるか確認します。お尻の外側、大腿の外側の筋肉の硬さ、腸脛靭帯の緊張が確認できる場合は、大腿の筋肉の緊張を緩和していきます。
②骨盤や姿勢の歪みが大腿外側への負担を強くしている場合があるので、背骨や骨盤の状態を整えていきます。
③お尻の外側やすねの外側の筋肉の緊張も大腿外側の筋肉の負担になるので、それらの筋緊張を緩和させていきます。これらは、股関節や足首の可動域の改善にも繋がります。