スポーツ障害股関節・膝・足の痛み膝関節マラソン｜痛みの原因事典

　膝関節は身体の中で最も大きい関節です。関節を形成している骨自体は適合しておらず安定性に欠けるため、その強度と安定性は周囲の靭帯や筋肉に依存しています。関節の前面には膝蓋骨(お皿)があり、関節のスムーズな運動をサポートしています。また、関節の間には２つの半月板があり、関節の適合を良くしたり、ショックを和らげる働きをしています。

　膝関節は脛骨と大腿骨という２本の長いテコの支点に位置していることからストレスを受けやすく、外傷をこうむりやすいという特徴があります。さらに、脂肪や筋肉の保護が少なく、関節周囲の状態や解剖学的関係からも、障害を受けやすい部位です。

　外傷以外では、関節周囲の筋肉の緊張や弱化、膝関節そのものや股関節・足関節などの機能異常が膝に症状を引き起こす原因となることが多いです。
当院では、膝関節はもちろん、全体の骨格・筋肉のバランスを整えることで膝への負担を和らげ、症状を改善させます。

原因と症状

　変形性膝関節症

　膝関節の骨や軟骨がすり減ったりもろくなってしまうことで、炎症が起きたり関節が変形したりして痛みが生じるもので、中高年の膝の痛みの原因で最も多いです。主な症状は膝の動かし始めが痛い、膝がこわばっている、一定以上曲げ伸ばしができない、などです。

　半月板損傷

　膝関節でクッションの役割を果たす軟骨組織「半月板」が、大きな負荷がかかることで欠けたり断裂する疾患です。主な症状は、膝が引っかかったような痛みがある、膝の曲げ伸ばしが出来ない、膝に力が入らない、などです。

 　靭帯損傷

　膝関節の周りの靭帯に強い外力が加わり、損傷を受けた状態です。膝を強く打った、膝を動かした時にブチッとした音とともに激しい痛みがあった、特定の動きをすると強い痛みがでる、膝のぐらつきがある、などが特徴です。 

　筋肉や関節が原因の痛み

　日常生活で、立ち仕事や重い荷物をもつことが多くなり、筋肉の過緊張が起こる場合や、運動不足によって筋力が弱くなると、日常生活での膝への負担を増大させます。筋力のバランスが崩れた結果、筋肉や靭帯、関節から痛みや違和感が出ます。また、日常生活では問題が無くても、特定のスポーツをしたときのみ症状がでることもあります。

スポーツによる膝の痛み

　サッカーやラグビーなど、相手との接触が多い競技やバレーボール、バスケットボールなどのジャンプ競技、野球やスキーなどの膝を捻る競技は上記にあげた半月板損傷や靭帯損傷が多くみられますが、これらは突発的な怪我で、原因がはっきりとしたものです。

しかし、原因がわからず膝の痛みを訴えるケースも多いです。

これは膝の関節や筋肉、靭帯などの使いすぎによって痛みが出て、ジョギングやランニングのように繰り返し下半身に負担をかけるスポーツをされる方に多くみられます。 

　○腸脛靭帯炎（ランナーズニー）

　膝の外側に位置する腸脛靭帯に炎症が起こるもので、走っている時や走った後、患部を押したときなどに痛みます。 

　○鵞足炎

　膝の内側から膝下にかけて痛みがあり、膝を伸ばしたときや階段の昇り降りで痛みが出てくることが多いです。膝の内側に太ももの筋肉が付着しており、筋肉同士が擦れ合ったり、筋肉と骨が擦れ合ったりすることで炎症が起こりやすくなります。この症状もジョギングやランニングをする方によく見られます。 

新御茶ノ水外来センターでは 

○炎症が起こっている場合にはアイシングや超音波治療で早期回復を目指します。

○膝関節はもちろん、関連する骨盤や股関節、足関節の正常な動きが損なわれている部位に対して治療を行います。また、筋肉の過度な緊張や筋力が衰えている部位も確認し、施術を行っていきます。

○日常生活で出来る簡単なストレッチやエクササイズを指導し、早期回復や予防に努めます。