ヨガのレッスン中に股関節の付け根に痛みを感じる
2019.09.18
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ヨガの時に股関節が痛くなる患者さんのレポートです。
健康のために始めたヨガのレッスン中に股関節の痛みを感じるようになったそうです。
これは当院で施術を受けられた患者さん(33歳女性)の一例です。
去年の冬からヨガを始めました。ところが何回かレッスンを続けているうちに、右の膝を胸のほうへ引き寄せると足の付け根に重い感じがあることに気づきました。そのうち痛みも自然に治まると思いそのままにしておきましたが最近になり、ヨガの瞑想の時に足を組んだときや膝を胸に近づけたときなどに股関節がズーンと痛むようになってしまいました。今のところ歩く時に痛みを感じることもなく、生活には支障はありませんが、このまま徐々に悪化していくのかと思い不安です。(33歳 女性)
<初診時の症状>
①膝を胸にと足の付け根が痛む。
②あぐらをかくと足の付け根が痛む。
<施術後の経過>
初回の検査では膝を抱えるような股関節を深く曲げる動きと、そこから足を開く動きが硬くなっていました。また、その時に足の付け根にも痛みも感じていました。
初回の施術では、股関節を曲げる時に働く腸腰筋や中殿筋といった股関節屈筋群がこり固まっていたので、これらの筋肉をほぐす目的で施術を行いました。
施術を行う過程で、お尻の筋肉である大殿筋や太ももの裏の筋肉のハムストリングスもこり固まっていました。そのため股関節の動きを悪くなっていたため同時に施術を行いました。
初回の施術後は、膝を引き寄せた時の足の付け根の痛みが残るものの、施術前よりも楽に膝を引き寄せられるようになりました。
その後も股関節の動きを広げていくために股関節の周りの筋肉へのアプローチを継続しました。そして骨盤や腰のゆがみも股関節の動きに影響するため、そちらへのアプローチも行っていきました。
4回目の施術が終わった時には、膝を胸に引き寄せたり、あぐらをかいた時の足の付け根の痛みを感じなくなっていました。しかし、あぐらをかいた時に足の付け根にこわばる感じが残るということでした。
その後も股関節へのアプローチを続けながら患者さんにもストレッチを積極的に行ってもらいました。8回目の施術の時には股関節に痛みやこわばりを感じることもなくなり、ヨガも痛みを感じることなく楽しめるようになっていました。
<担当カイロプラクターのコメント>
この患者さんの足の付け根の痛みは鼡径部の痛みでした。股関節屈筋群の1つである腸腰筋がこの鼡径部の下にあり、股関節の動きがかたくなると、膝を胸に引き上げるような動作で足の付け根に痛みが出ます。
こういった鼡径部の痛みを総称してグロインペイン症候群といいます。
グロインペイン症候群を詳しく解説したページがこちら
主に筋肉の使い過ぎによるオーバーユーズが原因で起こることが多くあります。今回もヨガを初めてから、普段使わない筋肉を使い続けたことで、股関節の周りの筋肉がこり固まって股関節の動きが悪くなります。そのせいで腸腰筋への負荷が大きくなり、オーバーユーズにより腸腰筋炎として足の付け根の痛みが出たと考えられます。
原因となる筋肉を理解して自宅でのストレッチをこまめにしていただくことで、比較的簡単に予防できるものです。運動習慣がある人は時間を見つけてストレッチを行っていただくことをお勧めします。
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