顎関節症(顎の痛み)
顎関節症とは以下の内容に定義されます。
「顎関節や咀しゃく筋(咬む筋肉)の疼痛、関節音または「口が開かない」「口が開きづらい」などの開口障害や顎運動の異常を主な症状とする慢性的な疾患群の総括的診断名で、その病態には咀しゃく筋障害、関節包・靱帯障害、関節円板障害、変形性関節症などが含まれる」とされています。(日本顎関節学会)
簡単に言うと、顎関節周囲に何らかの異常がある「顎が痛い」「顎が鳴る」「口が開けづらい」などの症状があることです。
顎関節症はここ十数年で15倍にも増加したとも言われており、子供から高齢者まで幅広くみられます。年齢では20〜30代がピークで、男女比では女性が男性より2〜3倍多いようです。
目次
顎関節症の主な症状
以下が主な症状です。これらの症状が一つ、もしくはいくつか重なり現れます。
① 顎の痛み
顎関節周辺が痛みます。口の開け閉め、食べ物を噛むときなど、顎を動かしたときに痛みが出ます。
② 口が大きく開けられない(開口障害)
正常な成人は縦に指3本分(40〜50㎜)入るが、指が2本程度(30㎜)もしくはそれ以下しか入らなくなります。
③ 顎を動かすと音が鳴る(関節雑音)
顎を動かすと「カクカク」音がします。「ジャリジャリ」「ミシミシ」といった音の事もあります。
④ 噛み合わせに違和感がある
顎の関節や筋肉に問題があると、顎の動きに変化が生じて噛み合わせが変わることがあります。
⑤ 口を完全に閉じることが出来ない
非常に稀ですが、口が完全に閉じられなくなる場合があります。
顎関節症の原因
① 顎関節周囲の筋肉の緊張
口を開け閉めする筋肉に緊張があり、顎に痛み、開口障害、音が鳴るなどの症状を出します。原因となる筋肉として、主に側頭筋、咬筋、内側翼突筋、外側翼突筋などがあります。また外側翼突筋は顎関節をスムーズに動かす役割を持つ関節円板にも付着していると言われており、関節自体の動きに加え、関節円板の動きも悪くすると考えられます。
② 頚椎(首の骨)の動きの悪さ、首の筋肉の緊張
口の開け閉めには顎関節だけではなく、頚椎も動きも必要になります。それにより口の開閉をより容易にしています。そのため頚椎のズレや、首の筋肉の緊張により頚椎がうまく動いてくれない場合、顎への負担が大きくなります。
③ 悪い姿勢
PC作業等で長時間座っていると多くの人が猫背姿勢になり顎が前に突き出た状態になってしまいます。この姿勢は、顎の関節の適合性を悪くし、大きな負担をかけることになります。また、同時に首の筋肉や頚椎へも負担をかけますので、より顎への負荷が大きくなります。
④ 悪い癖
「くいしばり」「歯ぎしり」「歯をカチカチならす」などの癖は、顎の筋肉を緊張させて顎関節に過度の負担を与えてしまいます。また、食べ物を食べるときに片側だけで噛む、頬杖をつく、うつ伏せで寝るなどの癖でも顎関節の負荷が大きくなります。
⑤ 精神的なストレス
精神的なストレスが強い人は、意外にも顎関節症になる確率が高まると言われています。実際、顎関節症で悩む人を対象にした研究では、精神的ストレス度が高く自律神経失調症などの問題を抱えるケースが多いという結果が出ています。これはおそらく、精神的なストレス度が高い人は、歯ぎしりや食いしばることが多くなり、関節や筋肉に過度のストレスを与えていることが考えられます。
新御茶ノ水外来センターならではの顎関節症施術とは?
施術としては、上記の顎関節症の原因を取り除くことが主になります。
まずは、顎関節自体の動きを改善するために、①顎関節の筋肉へのアプローチ、②頚椎・首の筋肉へのアプローチを行います。
その次に、施術効果の維持・再発防止のために、③姿勢に対してのアプローチ、④顎関節症に対してのアドバイスを行います。
顎関節症と聞くと、名前のとおり関節自体に問題があるように思われますが、一番多いのは筋肉の緊張やアンバランスによるものだと考えています。顎関節は可動性を重視した造りになっており、関節自体の負荷よりもそれを支持・可動させる、筋肉への負担が大きくなります。そのため、いかに顎関節の筋肉に負荷が少ない状態にもっていけるかが、施術のポイントになります。