歩き出しや長い距離を歩いていると足の痺れを感じる
2021.06.22
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歩いたりすると足に痺れを感じて坐骨神経痛の心配をして来院された40代の男性の患者さんです。
足の血行不良によって痺れが起こってしまった一例です。
1ヶ月程前から歩いていると足の裏に違和感を感じるようになっていました。そのうち放っておけばよくなると思いましたが、症状が良くなることはありませんでした。それどころかお尻にも痛みを感じるようになりました。お尻の痛みは長い時間座っていた後に立ち上がると痛みを感じます。そして、その時に足のすねの部分に痺れを感じるようになりました。この痺れは常にあるわけではなく、立ち上がって歩き出すときや、長時間歩いているときに出てくる傾向にあります。
整形外科に受診しましたが、レントゲンでは骨に異常がなく、様子を見るように言われたので、カイロプラクティックを受診してみようと思い来院しました。
仕事は営業職なので、外で歩き回るのと、社内で座っている時間とが半分半分ほどです。社内で座っているときから立ち上がるときに、お尻の痛みと足の痺れを感じます。また、外回りで、打合せ場所が駅から遠く、20分以上歩くような場所だと、途中からお尻の部分が痛くなり、すねの部分の痺れを感じます。
<初診時の症状>
➀足の裏に違和感がある
②立ち上がるときや、長時間歩いているとお尻の痛みを感じる。
③立ち上がるときや、長時間歩いているとすねの部分に痺れを感じる。
<施術後の経過>
初回の検査では、椎間板ヘルニアや梨状筋症候群からくる坐骨神経痛の症状ではなさそうでした。梨状筋症候群ではありませんでしたが、どこかの筋肉の状態が悪いせいで神経や血管にも影響が及び足の痺れが出ているようでしたので、痺れの感覚を確認しながら施術を行いました。
施術はまずお尻を中心とした骨盤・股関節周りのアプローチから行っていきました。その後、施術中に気になった足裏やすねの筋肉のはりに対しては筋肉をほぐすだけでなく、筋膜リリースというテクニックをつかってアプローチを行っていきました。1回の施術で筋肉のはりがすべてとれたわけではありませんが、ある程度ほぐれてきたところで、足の痺れの確認をしたところ痺れをほとんど感じなくなっているということでした。
このことから、お尻の部分の問題による痺れではなく、ひざ下の筋肉から起こる問題だということが分かりました。そのため、2回目以降の施術もひざ下の筋肉へアプローチを継続していきました。
施術後は、しびれもほとんど感じないということでしたが、日常生活やフットサルをすると痺れが少しひどくなるということを繰り返していきました。4回の施術が終わるころには、しびれの出かたもだいぶ落ち着いてきていました。神経が一度問題を起こすと、回復するまでに時間がかかることが多いため、初めのうちは1週間に1度の間隔で施術を行っていましたが、2週間に間隔をあけて施術を継続して、しびれの経過を見ている状態です。
<担当スタッフからのコメント>
この方の痺れの症状は、椎間板ヘルニアや梨状筋症候群による坐骨神経痛ではありませんでした。原因としては、すねやふくらはぎの筋肉が疲労して膨張し、神経や血管を圧迫してしまったことによっておこる痺れだったと考えられます。これは下腿のコンパートメント症候群に似た症状になります。コンパートメント症候群は、外傷によって組織の内部で出血がおこり、筋内圧が急上昇することにより神経や血管を圧迫しておこる障害です。
この方は、けがをしたわけではありませんが、元々の体の柔軟性が低く、筋肉が硬くなりやすかったことと、フットサルや営業での疲労の蓄積でふくらはぎやすねの筋肉が過度に緊張して神経や血管を圧迫してしまい、コンパートメント症候群のような痺れが出ていたと考えられました。
筋肉が原因のため、動き出しや運動中にしびれや痛みが出ることが多かったと考えられます。椎間板ヘルニアなどによる坐骨神経痛の場合、座っているなどの安静状態でも痺れの症状が現れることが多いので、そういったところからも、椎間板ヘルニアかどうかの判断がしやすいと思われます。
痺れ=坐骨神経とは限らないので、いろいろな観点から症状について考察するといいと思います。
坐骨神経痛 足の痺れ カイロプラクティック 東京 千代田区 神田