胸郭出口症候群
目次
胸郭出口症候群とは?
胸郭出口症候群とは胸郭出口で神経や血管が圧迫されることにより、腕や手に痺れを起こすことをいいます。
胸郭出口症候群の主な症状
1.手の痺れ。
・痺れは指先や手や前腕などに起こり、小指側に起こることが多いです。
・痺れの感覚はビリビリ、ピリピリすることが多いです。
2.手の脱力感。
・神経の圧迫により筋力の低下がおこり脱力感を感じることがあります。
3.手の冷え。
・血管が圧迫さえると血流が悪くなり、冷えを感じます。
4.電車のつり革につかまる動作や、長時間のデスクワークで痺れが悪化する。
などです。
胸郭出口症候群の原因
「胸郭出口」とはおおよそ鎖骨辺りを指します。
この部位は腕に向かう重要な神経・血管である「腕神経叢」と「鎖骨下動脈」「鎖骨下静脈」の経路となっており、これらを隣接する組織が圧迫してしまうために痺れが起こります。
そこで重要なのが神経・血管を圧迫してしまう隣接する組織が「何か」ということです。
人間の身体の構造上神経・血管の経路はほぼ決まっています。
そのため何が神経・血管を圧迫してしまうかも、予測が出来ます。
胸郭出口症候群では下記の4つが神経・血管を圧迫する原因と言われています。
1.斜角筋症候群
首の横にある斜角筋という筋肉により神経・血管が圧迫され痺れを起こします。斜角筋は前斜角筋、中斜角筋、後斜角筋と3つあり、前斜角筋と中斜角筋の間を神経と血管が通ります。そのため斜角筋が緊張すると通過する神経・血管を圧迫しやすくなります。
2.肋鎖症候群
肋骨と鎖骨の間を神経・血管が通っています。肋骨と鎖骨の間が狭くなると通っている神経・血管を圧迫してしまい痺れを起こします。この隙間は男性より女性のほうが狭いことが多いです。
3.小胸筋症候群(過剰外転症候群)
胸にある小胸筋という筋肉によって神経・血管が圧迫され痺れを起こします。この神経
・血管の前面を小胸筋がおおっています。そのため小胸筋の緊張が強くなると小胸筋と肩甲骨との隙間が狭くなり圧迫されます。
4.頚肋症候群
通常肋骨は胸椎についているものですが、先天的な異常により頸椎に付いていることがまれにあります。その肋骨を頸肋(けいろく)と呼びます。この頸肋がある場合神経・血管を圧迫してしまうことがあります。この状態を頚肋症候群といいます。
新御茶ノ水外来センターでは
胸郭出口症候群ではまず重要なのは、痺れの原因を特定することです。
神経・血管を圧迫している部位へ直接治療をしなくては、なかなか改善は期待できません。
また胸郭出口症候群は姿勢との関係がとても深い症状です。姿勢の悪化(いわゆる猫背)により神経・血管を通る経路が狭くなってしまうからです。これは上記の4つの原因全てに当てはまることです。